古橋秀之 『冬の巨人』 (徳間デュアル文庫)

冬の巨人 (徳間デュアル文庫)

冬の巨人 (徳間デュアル文庫)

どなたかも書いてましたが,リリカルなほうの古橋秀之.白い吹雪の中を進む巨人とその中に住まう人々という凝った設定に乗った比較的素直なジュヴナイル,といった印象.イラストとのあわせ技で表現される世界と2時間の劇映画にぴったりはまりそうな生き生きしたストーリーラインがすごく好み.ただ分量的にはちょっと物足りなかった(これまた多くの方が言及してますが).前半でこれでもかと魅力的な設定を見せてくれたフルハシなら,もっといろいろ書けただろうになぁ,というのが正直な気持ち.面白かったことは間違いないのだけど,なんか物足りないような,もにゅもにゅと消化不良な気分.えらい贅沢言ってすみません.