井上堅二 『バカとテストと召喚獣3』 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣3 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣3 (ファミ通文庫)

うーん? おバカなノリは相変わらず面白かったのだけど,アッパーバカな話を作るために事態を無理矢理に複雑化させてたような違和感も同時に強く感じた.脅迫犯を見つけ出して事件を解決するだけならいくらでも方法があるはずなのに,作者の都合でバカなほうバカなほうへと泥臭く誘導されてるような違和感.話全体,特に前半,性的方向へのバカさが淡白だったのが違和感の正体かなあ.この辺,213 ページの明久の叫びがもっと早くに出ていれば,女湯への突撃もまた違った(迫真した)印象で読めたような気がするんだが.そもそもなんでもありな話なだけに脅迫があんま脅迫として機能してないし.あーいや,そういうバカノリや泥臭さこそがこのシリーズの根幹だということは分かっているつもりではいるんだけど,もうちょいスマートな見せ方はなかったんかな,と.ノリが好きなことには変わりないし,ラストで今後の話の方向は完全に固まったみたいなので続きでどう出るか,楽しみにしてます.