おかゆまさき 『撲殺天使ドクロちゃん⑩』 （電撃文庫）

撲殺天使ドクロちゃん〈10〉 (電撃文庫)

いやあ，面白かった．【序】【破】【急】三部で構成される大長編ドクロちゃん．「大長編」らしさを意識してのものだったのか，今回限り（？）の新キャラ・ガジェットがぞくぞく登場で盛り上がること．一通りのギャグは比較的大人しめだったけど，新天使二人のクライマックスでのネタ明かしとその後のラストへの繋ぎは上手かった．ドクロちゃん史上最大のしんみり感とすっきりした読後感．良い感じでお祭り騒ぎのような楽しさがあった．
あとがきに「この十巻をもちまして、ヒトクギリ」とあるのでどうやらいったん完結なのかな．バカで勢いのあるライトノベルもたくさん出たおかげで徐々に目立たなくなっていったけど，ギャグの安定感と構成の巧みさでは間違いなく図抜けていた．ジャンル論や定義話にはまったく興味が無いしろくに読んでもいないのでアレですが，「ライトノベル」を語る上でエポックメイキングだったドクロちゃんの存在は外せないよね，と読み終えてからしみじみと実感した次第．