おかゆまさき 『森口織人の陰陽道』 (電撃文庫)

森口織人の陰陽道 (電撃文庫)

森口織人の陰陽道 (電撃文庫)

おかゆまさきの新シリーズ.やー,予想以上に良かったです.妄想の織り成す軽めのテキストのノリはかなりドクロちゃんぽくはあるものの,陰陽道を取り込んだ舞台背景やキャラクターの紹介をさらりとやってのける手管はさすが.説明臭さがギャグに上手く紛れて気にならない.ドクロちゃんにはなかった王道のバトルも変に設定に凝りすぎることなく,それでいて終盤は普通にカッコよく,いいバランス.
前もちょろっと書いた記憶があるけど,新鮮さではともかくギャグとストーリーの組み合わせの安定感ではいまだに右に出るものはいないと思っているのですよ.エスカリボルグでぴぴるぴるぴると切り拓いてきた道に仁王立ちして,周囲が追い越していくのに目もくれずガチガチと磐石に踏み固めたり掘り返してみたりしながら改めてちょっとずつ前進している.そんなイメージ.惰性だけでドクロちゃんを追いかける,そんな時期が私にもありましたなわけですが,なんだかんだでまだまだ期待して見ていきたい所存.