一柳凪 『リバース・ブラッド 1』 (ガガガ文庫)

リバース・ブラッド 1 (ガガガ文庫)

リバース・ブラッド 1 (ガガガ文庫)

幻想少女伝奇譚? ミステリ風.基本三人称なのに主観が入りまくる地の文と過剰に繰り返されるお色気シーンに苦笑しつつもお話は面白かった.衒学的な小道具や能力は比較的おとなしいものだと思うんだけど,『みすてぃっく・あい』と同様,閉鎖された環境に置かれた箱庭を眺めているような心地悪さがあってどことなく惹かれるものがある.人物視点と神の視点が入り混じるテキストがそうさせているのかなあ.殺人事件を扱っていながら死体そのものは出ず,幻想的(ってか悪夢的)光景に置き換えられているあたりも浮世離れしている一因?(まあ似た手法はいくらでもありそうだけど) 不思議な魅力があるんだけど,あー,上手く言語化できねぇ.私はお前のことが好きだ! とだけ伝えてもう寝ます.