中村九郎 『樹海人魚』 (ガガガ文庫)

樹海人魚 (ガガガ文庫)

樹海人魚 (ガガガ文庫)

真名川霙は十四歳を永遠に繰り返す、人魚だった。

樹海人魚 (ガガガ文庫) - はてなキーワード

強大な力で街を破壊し,人々を殺し,何度死んでもよみがえる恐怖の存在"人魚".人間は人魚を撃退し,あるいは対人魚用兵器"歌い手"として飼い慣らしていた."歌い手"を操る"指揮者"のひとり,森実ミツオ・通称ザネは,記憶をなくし反転した重力と光のなかを生きる人魚・霙と出会い組むことになる.
赤い糸で繋がれた"指揮者"と"歌い手"の戦いの記録.カバー曰く「超絶詩的伝奇バトル&ラブ」の物語は,少女に抱いた破滅的幻想(どこかオーケンチックな)のようでもあり,奇妙な世界観に彩られた単なる異能バトルのようでもあり.ストーリーはさほど変わったものではないと思うし,単純に好き嫌いでいうとあんま好きな話でもないんだけど,スッと切れるテキスト使いにハッとさせられる瞬間はしばしばあった.