内山靖二郎 『クダンの話をしましょうか2』 (MF文庫J)

少女クダンの物語第二集.1 巻同様,ひととひととの繋がりに焦点を置いた出会いと予言と別れの物語.
断絶した大人と子ども,そのどちらにも属さないモラトリアムという三者の不理解を,コロポックルをモチーフに不気味な現象に乗せて描いている.かてて加えて切ない別れのままならなさに,暢気な幕間.柱となる雰囲気はしっかり残しつつも章ごとに硬軟描き分けがしっかりなされている.良かった.期待通りの面白さなのでした.
出会いには別れがつきもの,そしてクダンだけあって物語には別れが必然.別れのあとに残るものは決して小さくは無いはず.別れに伴って得たものを傷とみるか財産と捉えるか.私は後者寄りでラストも救いのあるものと受け止めたんだけど,感想をいくつか漁った感じではひとによって受ける温度は変わるのかな,と.