関涼子 『サーベイランスマニュアル』 (GA文庫)

サーベイランスマニュアル (GA文庫)

サーベイランスマニュアル (GA文庫)

密かに想っていた従姉が結婚することになり傷心で街に出た亮輔はいきなり虎に襲われる.その虎は新種のウイルスによって人間が変化,暴走したものだった.すんでのところを助けられた亮輔はあれよあれよと事態の中心に巻き込まれてゆく.
少しだけ SF 寄りの異能もの.SF 寄り,といっても医学・生物学と精神論があやふやな境界で接しているようなものなので雰囲気程度に.それでもこつこつ組み上げられる理屈は一応の体系を持っていて地味ながら案外読みやすい.
作者は普段は女性向けのゲームを手がけているとのことで,この話もそっちのにおいがわりかし目立つ.パートナーとなるキャラクターもヒロインで幼女の寧よりむさい大男の巴の方がずっと存在感が強い.こりゃ真のヒロインは誰が見ても巴だわ.亮輔×巴だわ.イラストでもってごつい外見を決定づけられたおっさんがメインヒロインを担うお話はひとによってはきっついのではなかろうかと思うけど作者が自分の主張を貫いたその姿勢は私は嫌いじゃない.あと脇のキャラで宝が非常に好みでありました.宝に ( ゚∀゚) キュンキュン!!
とりあえずもうすぐ出るらしい新刊は買う.といえるくらいには面白かったす.