岡崎裕信 『フレイアになりたい2 ハーデスが泣いている』 (スーパーダッシュ文庫)

残り少ない寿命を精一杯生きるべく,高校生最後の夏を映画制作へと費やすことにした瞳.そんな矢先,仲の良かった同級生の突然の自殺,そして新たな神格能力者"ハーデス"が出現する.
シリーズ二弾.1 巻の話中,そしてラストでとってつけたかのように明かされる伏線をきっかけに,閉じかけた話を力技で無理やりこじ開けたかのようなパワフルな続編.ってか本当にとってつけたんだろうなあ.出さなければ綺麗な思い出でいられたのに! みたいな望まれない続編をちょくちょく見かける昨今,これは珍しい成功例といってもいいんじゃないカナ? 後付け感は正直拭えないものの,大仰かつやっぱり強引な異能の描き方は独特の勢いがあって悪くない.絶望をもたらす能力"ハーデス"が話の中心になるためか,感情の振れ幅がやたらと大きいのが印象的だった.絶望に対する両極端な感情(スタンス)のぶつかり合いはシンプルな二分法.書こうと思えばもっと複雑に描けたようには見えるけど,この話の場合はこれで正解だったと思う.細かい部分で突っつけないこともないけど,あとがきまで勢いあって力強くていいんじゃない,と思ったのでした.パワフリャー.