大槻ケンヂ 『ゴシック&ロリータ幻想劇場』 (角川文庫)

ゴシック&ロリータ幻想劇場 (角川文庫)

ゴシック&ロリータ幻想劇場 (角川文庫)

オーケンの 20 の掌編集.「少女ファッション雑誌「ゴシック&ロリータバイブル」に連載していた」ということで,十代の少女を中心にした軽めに読める話が多い感じ.ゴシック&ロリータバイブルにどういう読者層がいるのかはまったく分からないのだけれど,描かれる「少女」像は一定していたように思う.というか,「妖精対弓道部」「サラセニア・レウコフィラ」のような毒が表に出た掌編もあるものの,普通にいい話が大半を占めていて楽しみつつも面食らったってのが正直.11 年前に別れた二人が再会する新宿御苑,元ビジュアル系の父と元ロリータの母「メリー・クリスマス薔薇香」,死んだ恋人のギターを盗んだ女の子「ギター泥棒」,お婆さんと三毛猫と女の子二度寝姫とモカ」が特に良かったかな.