深見真 『ブロークン・フィスト3 風に躍る宿命の調べ』 (富士見ミステリー文庫)

──っていうか、いいのか、これ!?
人間にこんなことできちゃっていいのか!?

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闘二の伯父にして中国拳法の伝説的達人,武田飛雷.伊豆にあるそのペンションをバカンス目的で訪れた秋楽たち一行のもとへ,一通の脅迫状が届けられる.そして事件は起こった.
格闘探偵の事件簿,シリーズ未完の最終巻.社会の裏に潜むネットワーク,闘二ともうひとりの男の因縁,そして,この世界における武術の意味とは.密室殺人のとんでもないトリックが埋もれてしまうほどのてんこ盛りなストーリー.そのいちいちがえれーカッコいいこと.やりたいことは全部やりきった,第一部完! みたいな清々しさがあった.「最終巻」でなければありえない話の広げ方であるなぁと思うと同時に,もう続きが読めないであろうアンビバレンツに歯噛みしたくもなったけど.面白かったぁ.