虚淵玄 『金の瞳と鉄の剣』 (星海社FICTIONS)

金の瞳と鉄の剣 (星海社FICTIONS)

金の瞳と鉄の剣 (星海社FICTIONS)

「ねぇ、タウ。僕は──いったい何者なんだろう?」
吹雪の向こうの闇を見据えながら、そう所在なげに呟いたキアの問いを、タウは鼻で笑い飛ばした。
「決まってる。俺の相棒さ」

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戦士タウと魔術師キア.龍の住む山,妖精郷,死者の守る廃墟の古城,男同士の固い絆で結ばれたコンビは旅を続ける.虚淵玄の描くファンタジー連作短篇.ちょっぴりの皮肉や毒を効かせつつ,かなり手堅くまとめている.非常に読みやすいし読んでる最中は退屈しないのだけど,物語やテキストから作者ならではの魅力があんま感じられないので,読み終わってみるとちょっと物足りなさが勝る.自分でもぜいたくなこと言ってる気はするのだけれど.