午前三時五分 『りっぱな巫女になる方法。1 空き教室のヤミコさま』 (集英社みらい文庫)

ぽつり。影が、ようやくしゃべった。
そして、まっすぐに、あたしに向けた、その顔は──
『──あたし、ヤミコ──』
影の顔には、言葉を発した口はもちろん、目も、鼻も、なにもなかった。
ただ、吸いこまれそうな“闇”だけが、そこにあった。

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八神まふゆは 11 歳の見習い巫女.巫女修行のために転校することになった学校で,都会デビューを目論むも上手くいかず,初日から浮きまくるまふゆだった.
スーパーダッシュ文庫から「りっぱな部員になる方法。」*1でデビューした作者の久方ぶりの新作.ストーリーは学校の怪談+巫女,という感じ.砕けた話し言葉で一から十までを説明してくれるので,かえって読みにくさを感じる.対象年齢が「小学中級から」ならこんなものなのかな.「学校の怪談」としては飾り気はないのだけど,それがいい方向に作用していて,大人が読んでもちゃんと怖い話になっていると思う.あと「急急如律令」の意味をはじめて知りました.