- 作者: 浅生鴨
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2016/08/22
- メディア: 単行本
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「私も善き世界を創りたいと考えている。それは人類にとっての善き世界でなければならない」ソールの声が熱を帯びる。「だが善き世界を創るために人類を変えるのは大きな間違いだ」
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「この感情を抑えることは無理だ」
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そう。人間は、自分の意思だけで感情を抑えることなど不可能なのだ。
「個人の意思ではなく、社会の仕組みとして欲望を抑えるようにしなければならない」
そうやって、人類を苦しみや悲しみから、完全に解放するのだ。欲望が感情を生み、感情が行動を生むのであれば、逆に行動を統制することで、欲望を抑えることも可能なはずだ。
南ガリオアの鉱山で資源採掘を生業にしていたユジーンは,
ユジーンとヌーというふたりの少年の視点から描かれる世界が折り重なってゆく.調和がなされなかった(あるいは挫折した)『ハーモニー』,といった風情のディストピアSF.正しく伊藤計劃以後だと思う.意欲作だと思うのだけど,