高橋びすい 『エヴァーラスティング・ノア この残酷な世界で一人の死体人形を愛する少年の危険性について』 (MF文庫J)

もしあなたが子供を大学にやる自信がなかったら、検体(ドナー)登録をして自殺すると良い。一発で生涯賃金を稼げて学費を賄えるから――

死体人形(ダミーライフ)とは、基本的人権を持たず、再利用可能な資源として、労働力と資源の慢性的な不足を抱える日本を中心に普及した、蘇る死者。死体人形(ダミーライフ)を利用するアライアンスと、それを非人道的とするユニオンの二大国家同盟が戦争状態にある世界で、新米死体人形(ダミーライフ)のサクトは死体人形(ダミーライフ)の少女、ノアと出会う。

大義の下、再利用可能な資源として死体人形(ダミーライフ)が扱われる現代の戦争と、その足元で消耗してゆく市民や前線。そこで輪廻し続ける少女と亡国の皇子は別れと再会を繰り返す。ここ数年のあれこれを受けて、戦場に対する描写の解像度が上がった気がする。もろもろの説明が多めで、良くも悪くも泥臭いのが個人的にはあまり盛り上がるところが合わなかったかもしれない。