早矢塚かつや 『竜魔杖のコンダクター』 (スニーカー文庫)

一目で人知を越えた異形と分かる、歪なシルエット。

逆関節の脚部。

巨大な背部(リア)ユニットと、そこから生えた巨大な一対の副腕。

いわゆる機甲(オーガニックギア)をまとった、女の子だった。

20年ほど前から突如発掘されるようになった金属片、魔杖(タクト)。科学の埒外にあるこの金属は、コンダクターと呼ばれる選ばれた少年少女によって形を変え、真の力を発揮する。魔杖(タクト)の研究施設にしてコンダクターたちの教育機関、姫神学園に潜入した八戸埜竜士は、《百銃王(ガンズライオン)》の異名を持つ姫神レイヤと出会う。

学園アクションボーイ・ミーツ・ガール。きれいにまとまったプロローグ。定番の組み合わせや話の展開も、発売から10年以上も経つとさすがに古さを感じてしまう。まあ、買ったまま積んでいたのが悪いんだけど、似たジャンルでも古びる小説と古びない小説があるのはどこから違いが出るんだろうとしばらく考えました。