- 作者: 蘭光生
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2008/08/04
- メディア: 文庫
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往年の○○雑誌「奇譚クラブ」,「裏窓」などから名場面を多々引用しつつ○○の世界を解説してくれる,蘭光生名義のデビュー作.
教養として読んどくべ,とさして考えず手に取ったのだけどこれは良かった.何より蘭先生の語りが楽しすぎる.猿ぐつわだったら材質ごとの特徴を説明し,鞭ならスタイル・効用・用途・種類で分類解説し,サディストとマゾヒストの精神性や体位の美しさについて持論を展開する,その語り口の楽しそうなこと嬉しそうなこと.このひと本当に○○が大好きなんだなあと深く納得すると同時に,こんな面白いひとが身近にいたらさぞ楽しかろうなあと思う.まさに○○芸人.
内容も興味深いものが多かった.上の世代と若い世代の○○に対する考え方の違い(セックス=エロスに直結するか否か)や,「切腹」への考察など.「切腹」が○○の一形態にあたるとはじめて知ったのだけど,一般的でなくなったのはやっぱり(創作のなかとはいえ)死んじゃうからかなあ.この本から学んだことは大きく三つ,世の中には思っていた以上に変態が多いこと,私はその変態どもには遠く及んでいないこと,あと褌が素晴らしいものだということ.『丼ぐり。』で「これからはふんどし少女だ」と書いていた RYU-TMR にはぜひ頑張っていただきたいと思った.とりあえず書店で見かけたら目次だけでも立ち読みしてみるといい.
(2017.12.7追記)Adsense対策のため文言を伏せ字にしております.