大西科学 『ジョン平とぼくと』 (GA文庫)

ジョン平とぼくと (GA文庫)

ジョン平とぼくと (GA文庫)

ライトノベルというよりはジュヴナイルっぽいファンタジー.凝りすぎない現代魔法理論は頭にすっと入ってくる感じでわかりやすく,優しい空気を感じさせる文体とマッチして一種独特の雰囲気を形成しているようだった.このへんはかなり好みだった.
幼馴染との距離感はこのくらいのほうがむしろ燃えるので良し.朝起こしに来るのが当然の二次元世界(小説を二次元と呼ぶかどうかはともかく)では新鮮な存在だしね.それが普通の二次元存在と思っている腐れ野郎は私だ死ね.*1
いくつか回収していない伏線があるようなので,続編ではその回収と世界観の補強をお願いしたいかな,と.

*1:韻を踏んでるのよ

『つよきす 〜Mighty Heart〜 完全生産限定版』 (プリンセスソフト)

つよきす~Mighty heart~(初回限定版)

つよきす~Mighty heart~(初回限定版)

所要時間 42 時間.Windows 版は未プレイなので,それを踏まえた上で.
カニと姫のシナリオは掛け値無しに素晴らしかった.ただ,他のキャラのシナリオには大いに不満がある.
ヒロインが全員ツンデレなのが特徴.っつーことで序盤のツン期 → 仲良くなってのデレ期へのスライド模様が主なテーマ.もともとは18禁ゲームなので,濡れ場やコンシューマ移植にあたって問題がありそうな表現はマイルドに書き換えられているわけなんだけど,その書き換え方が問題.

  • デレ期が異様に長く単調に感じる

濡れ場を削ったことでデレの表現が乏しく,似たようなことの繰り返しをやっているだけに見えた.バカップルが延々いちゃいちゃしている様を見せられてもそりゃプレイヤーは冷めるだけよ.エロ目的でなくとも,濡れ場っつーのも愛情表現や感情移入の手段として偉大なんだなぁと再確認した.

  • 「過去のトラウマ」や「夜のバイト」があいまいにぼやかされた表現に

つよきす - Wikipedia のネタバレ項目を読んで正直愕然とした.自主規制するにしても話の根幹に関わる部分に手を入れちゃ駄目だろ.
他のメディアでもほとんど類を見ない姫のキャラクターや,カニ@金田まひるの活き活きした演技は色褪せることはないけど,移植にあたって削られたり変更されたりした部分はかなり多かったらしい.コンシューマ移植でつまらなくなるタイプのエロゲはいくつもあったけど,これほど勿体無いと思った作品も珍しい.ここを読んでいる18歳以上のひとなら迷わず Windows 版と12月に出るらしいファンディスクを買っとけ.な.

今日

給油と洗車をするためガソリンスタンドへ行った.

車の下部分の洗車がプラス315円で出来るというのでついでにお願いする.

オイルがそろそろ交換時期ですが,どうします? と訊かれたので頼む.
ついでに車をジャッキで上げて点検してくれるという.

30分待たされる

マフラーに直結するパイプ(自動車用語が分からない…)が錆びてますよ,と言われる.確認してみると確かに錆びて表面が剥げていた (;´Д`)
さび止めのコーティングをしておきますか? このままパイプが錆びて外れるようなことがあると,修理に○万円かかりますよ.仕方なく頼む.

さらに90分近く待たされる

請求額3万円

( д )  ゚  ゚


すっげぇ釈然としない.車なんか持つもんじゃ無ぇなと改めて思った.東京戻りてぇよぅ.

あきさかあさひ 『終わる世界、終わらない夏休み 〜桜井深優の終末〜』 (ファミ通文庫)

個人的には受け入れ難かった.結末は納得できる(予想範囲内だが)ものだったのだけど,一点,その結末へ至るまでのプロセスがよろしくない.具体的に言うとグラサン男に代表される物語中における人々の行動が気に食わない.
生きる意志を放棄していた人々が意志を取り戻し,善意を発揮して最終的に救われる,っつーのは王道ではある.ただ,「現実は非情だ」とあれだけ上巻で強調して描いていた筈の物語が下巻でこういった道を辿ることにいまいち納得がいかない.その意志や善意を人々が手に入れるまでのプロセスに説得力があれば骨太な物語になったと思うのだけど,これは弱いとしか言えない.
それでも,特に上巻で「感情移入しようが無い」と思っていた主人公や他のキャラクターの成長が活き活きとよく描けていたのはすごく良かった.この世界観で無ければ出来ないキャラクター描写だったと思う.それだけに,非情に徹するか,人情を信じるか,物語世界への作者の姿勢が最初から最後まで一貫していないように見えるのが歯痒かった.