『メイプルカラーズ 〜決戦は学園祭!〜』 (角川書店)

おまえらはクズだ!

学園(苦笑)の問題児が寄せ集められた掃き溜めこと2年B組.クズの烙印を押された学生たちは周囲から白い目で見られながらただなんとなく,毎日を無気力に過ごしていた.ある日,ひょんなきっかけから演劇部との演劇勝負をする羽目に陥った2B.負ければ全員退学させられてしまうことに.クラスの団結なしには2Bの勝利はあり得ない.果たして主人公はやる気のないクズどもをまとめあげ,演劇部に打ち勝つことが出来るのか!? というお話.
あらすじ読んでもらえれば分かるかもしれないけど,ストーリーが今どきないくらいに真っ当な「青春もの」のフォーマット.でもってやることは昔ながらのおつかいアドベンチャー.揃って微妙に古臭い.
じゃあその組み合わせはどうなのよ,と訊かれれば,私は「イイ!」と応えましょう.
ヒロイン周辺だけでなく,38人のクラスメート(男も女もいる)や敵となる演劇部など全員に関わりを持たないとストーリーが流れないゲーム構造になっているのがミソ.そのおかげで,よくあるエロゲ(に限った話じゃないな)の「キミとボクとその他」な構図はいっしょなんだけど,なんというかな,「閉じてる感」が薄い.まあ有り体に言うなら「俺もこんなクラスで過ごしたかった」的郷愁を強く感じた.簡単に先が読めるけどカタルシスの強いクライマックスも良かった.
繰り返しプレイが面倒・一部キャラのシナリオが手抜きぎみという欠点もあるけど,メインのシナリオだけでもやってみてみてーん,損はしないと思うよーん,てな感じで〆.

メイプルカラーズ ~決戦は学園祭~

メイプルカラーズ ~決戦は学園祭~