- 作者: 深見真,mebae
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2009/05/20
- メディア: 文庫
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「なんかの演劇で言うとったわ」セルジュが紅茶を飲んでから言った。「……この世界は劇場で、人間はすべて役者。人生は物語になるんやて」
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「そのセリフには続きがある」
すかさず謙吾が言う。
「世界の劇場で上映される最も美しい悲喜劇は戦争だ、と」
私立海神学園.巨大な敷地と自由な校風で知られるこの学園は,実は民間軍事会社(PMC)グリークスが秘密裡に管理されていた.特進クラスに通う少年兵・大牙謙吾は,ヴェルトハイム公国から帰国する妹・涼羽と,ヴェルトハイムの公女・フランシスカを迎え入れることになる.
PMC と学園ものの融合.主武装が強化外骨格だったり景気よく殺しまくったり.ライトノベルらしからぬ拷問シーンは趣味に走りすぎだと思うけど楽しい.実に気前が良いなあ.「正義」のために傭兵を営んでいる謙吾を中心に,色々やりつつも「戦争」をちゃんと受け止めようとしている.それは間違いないのだけど,そういった「戦争」を扱った作品にありがちなニヒリズムやペシミズムとはいっさい無縁なのよな.これはこの作者にしかできないことなのではないかなーと.続きをまとめて買ってあるので,ゆっくり読んでいこうと思います.