日日日 『狂乱家族日記 四さつめ』 (ファミ通文庫)

狂乱家族日記四さつめ (ファミ通文庫)

狂乱家族日記四さつめ (ファミ通文庫)

(えーと)
(前に日日日の感想を書いたときにもちょこっと書いたような書かなかったような曖昧な記憶があるんだけど,あらかじめ言っとくと私は過去の日日日作品が大好きであってファンで,でもって儲の領域にイっちゃってる自覚のある人なのですね.なので,以下の感想文は著しく客観性を欠いています.五割くらい割っ引いて読むか,さもなきゃ華麗にスルーしていただけるとありがたい)
ひとことで,最高.
なんで日日日のテキストはこんなに読んでて気持ちが良いんだろう.ひとつひとつの,たぶん作者からしてみたらたいした意味の無い台詞や表現でも,いちいち私にヒットし過ぎる.気に入ったテキストにポストイットを張っていったら面白いことになったよ.

まあ既存のラノベのいいとこどりなのにストーリーラインがなんか変で怪しい(揶揄でなく)ことは相変わらずで私もそこはわかってるつもりなんだけどさ.終盤の大仰な展開には「アホやってんなあ」なんて苦笑いも出るんだけどさ.
でもそれでもなんつーか,その心地良いテキストで綴られる,この馬鹿みたいな作品世界で馬鹿みたいなことをやったり悩んだり暴れたりする凶華や千花や雹霞が,いつのまにかすごく愛おしい存在になっていて.誰かのために泣いたり怒ったりする狂乱家族に強くシンクロしちゃってたりして.トノヅカさんが先日の mixi 日記で書かれた言葉,「このひとたち(<すでに『この作品』という領域じゃない)を好きになってしまうかも知れない」,その感覚をいま自分も味わっているのかもしれない.
つまりこれは私にとってのそういう一冊.