7巻目にして唐突にファーストコンタクトものと化したこの一冊.いやー,さすがにご都合主義が行き過ぎじゃないかなぁ.「個を持たない生物群から発生した個」だとか「『恋』を知らない宇宙人」とかの設定は大好物なんだけど,これらのア
イデアの練りこみがあまりに甘すぎて(特に前者),読んでて非常にじりじりした.どこかで見たア
イデアを縮小再生産して強引に付与した感じで,過去のそれらを越える,もしくは自分のものにしている印象はあまりない.
OASISに対する優歌の態度や,月香を容赦なくぶん殴る雹霞など,狂乱家族たちの描写にはニヤニヤさせられる部分は多かったのだけど,一冊の物語としては残念だったかも.今回は上下巻の上巻にあたるとのことなので,下巻で巻き返しとまとめを求む.