円城塔 『Self-Reference ENGINE』 (早川書房)

Self‐Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

Self‐Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

以前読んだ『四次元の冒険』を思い出しながら読んだ.『四次元の冒険』を基礎編とするなら,こちらはそれを物語に応用した実践編といったところになるのかな.四次元ならまだしも超超越体が三十ともなると流石にイメージが追いつかず,各掌編の奇想にも呆然とするばかり.プロローグがメタで「Bullet」が数学だったのでそういう意気込みで読み始めたら,お遊びっぽいネタも随所に挟まっているのがまたエンターテイメント.ストーリーとして繋がっていないので短編集というよりはアイデアの断片集といった趣.SF の素養があんま無い自分なので大して語れないが,面白かった,とだけは.