橋本和也 『世界平和は一家団欒のあとに③ 父、帰る』 (電撃文庫)

2巻とは違った形での「父親と家族の関係」と,主人公軋人の成長にスポットを当てた物語.軋人とエルナの関係も良かったんだけど今回は星弓一家父親で元勇者・耕作が格好良すぎた.普段はだらしないのにいざ家族のためとなると完璧な威厳と強さを見せる父親.あまりに理想的であまりに格好良いじゃないっすか.スカした(褒め言葉)テキストが功を奏したか,完璧ヒーロー然とした親父の姿を描くにも変な照れや気取りは見られず,ただまっすぐに格好良い.エピローグでの親父と軋人の会話,そしてラストのひとことも,父と息子の会話としてあまりにもベタなんだけど,軽く痺れた.巻を追うごとに着実に面白くなっているのは間違いない.良かったー.