渡辺仙州 『鬼器戦記』 (ガガガ文庫)

鬼器戦記 (ガガガ文庫)

鬼器戦記 (ガガガ文庫)

アジアンテイスト溢れる独自の世界観が加味された学園異能.中国文学や道教,説話などからとってきたモチーフがふんだんに使われているらしく(私はこの方面はぜんぜん知らないから多分だけど),「合計で一三五〇〇斤の重さの『鬼』」,「前金で二十,残り三十はあとで」など,モチーフの知らない言葉をぐぐりながら読んだため,多少は知識を広げるきっかけにはなったかも.しかしそれを置いておいても世界観が説明不足なのはともかく,ほぼ終始一貫ネクラでシスコンの主人公にまったく感情移入ができず読んでて気が滅入った.主人公がツンデレってのは私も感じたことですが,そもそもキャラクターとしての魅力が感じられない野郎に終盤デレられても困るというかむしろやめてほしかった罠.