荒川工 『にこは神様に○○《ナニ》される?』 (ガガガ文庫)

にこは神様に○○される? (ガガガ文庫 あ 1-1)

にこは神様に○○される? (ガガガ文庫 あ 1-1)

突然押しかけてきた神様(外見年齢 12 歳女子)に契れ〜契れ〜と迫られる女子中学生の受難.
作者の手がけたゲームは未プレイ(積み)だけど,いかにもエロゲ作家といった雰囲気の軽いテキストでさっくり入り込みやすい.連発されるギャグは少々お寒いものもくどいものもある……けど私はそんなに嫌いじゃない.たぶんだけど,ゲーム画面に表示するように,2 〜 3 行にぶつ切りにして,BGM と CV ともろもろの演出を加えたうえで見せられればこのギャグもすんなりと受け入れられたんじゃ,って気がした.実際に序盤は 2 〜 3 行に 1 つ以上の割合で小ネタが展開されてたし,ひとつずつ見せてもらえれば印象は変わったはず.画面で見るには違和感無いテキストも活字になるとどこかおかしい,よくあること.その逆もまた然り.
閑話休題.ストーリーのほうは人物・世界観紹介と伏線張りがほとんど.とはいえ,人間関係の重さや真意の見えない真界人たちなどを軽いテキストの下に上手くほのめかしており,のほほんとした空気と不気味な「黒さ」の同居に成功していたと思う.一見ゆるいようで奇妙な緊張感を保持しており,後半は読んでいて気が抜けなかった.
ということで面白かった.読んだ誰もが気になるであろうブレグヴァドの言葉の意味が私もすんげー気になっているので,出来れば早めに続編を希望.