- 作者: 犬村小六,森沢晴行
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/02/20
- メディア: 文庫
- 購入: 59人 クリック: 1,482回
- この商品を含むブログ (441件) を見る
すんげぇ良かった.二人きりの空で,着水した夜の翼の上で,整備のために寄った島で,変化していく双方の心情が非常に丁寧に綴られる.実は過去に出会っていた二人は互いに惹かれあうも,階級の違いや政治的思惑という壁が立ちはだかる.その強い絶望感や葛藤はもどかしく重苦しく,手に取るように伝わってくる.
「地上のことがくだらなく思える瞬間はあるかも。空のなかでは身分なんて関係がないから」
とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫) - はてなキーワード
空戦のシーンも圧倒的な迫力とスピード感をもって描かれる.性能差のある敵機に追われる恐怖や迫力はミリタリーに疎い私でも容易に目に浮かび,手に汗握る.
そして尊ささえ感じる二人のラスト「ダンス」.
『踊ってよ、シャルル』
とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫) - はてなキーワード
id:deltazulu さん評して曰く「紅の豚」.確かにスタジオジブリの作品のような丁寧な仕事をした,非常に完成された一冊だと思う.素晴らしかったです.