草上仁 『星売り』 (早川書房)

星売り

星売り

1989〜1990 年にかけて SFマガジンで掲載された短編に書き下ろし三編を加えた短編集.過去数世代にわたって居住用惑星を売ってきた一族の末裔三兄弟の顛末「星売り」.会社を守った男の伝説「ファンタシイ」.小学校で流行る先物取引「よっちゃんの株」.原罪とはなんだったのか,タイトルでネタバレの「最後の信販.ほか「在宅勤務?」,「特急便」,「輸出仕様」,「嘘は罪」,「ショットダウン」,「故障プログラム」を収録.どの短編もブラックな方向のユーモアがかなり強く効いている.あと株やお金にまつわる話が多いのは時代柄なのかねぇ.SF でありながら SOW からほど遠いしみったれた感,おかしいことはおかしいのだけど素直には笑えないというか,黒い気持ちになりますた.まあそういう皮肉が狙いにあるとは思うんだけど,ページ数以上に読んでて疲れた.