黒田百年 『あまうさ 〜ツキニウサギ〜』 (ジャイブ)

あまうさ―ツキニウサギ

あまうさ―ツキニウサギ

このお話は遙か遠い未来。
一人の幼い神様と、
一人の宇宙船と、
一人の青年が、
手に手を取り合って、みんなの宇宙を救った物語。

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西暦 2582 年神在月の出雲,一堂に会した八百万の神々の話題は,月面基地に新しく建てられることになった恩示神社.どの神を派遣するべきか,お前が行けわしは行きたくないの神議の中,元気よく立候補したのは約 600 年ぶりに生まれた新しく幼い神,玉兎だった.
もともとはニンテンドーDS にダウンロードして読むサウンドノベルらしい本作は,人類が太陽系に進出した未来で,すでに古い都市となった月を中心にした宇宙のお話.「コッテコテのスペオペ*1を志向したとのことで,登場するのは宇宙クジラに宇宙海賊などなど古き良きスペオペの香り? がする.導入から前半にかけて,イタズラ好きの幼い神と幼い宇宙船(人工知能)が己の役割を弁えながら,元気と子どもらしさをいっぱいに出している.雰囲気があって良かったと思う.ストーリー的には序盤の序盤っぽいけど,冒頭にグランドエピローグを持ってきているということは話の道筋は出来ていると思っていいのかな.期待して見ておきたいです.

*1:あとがきより