野村美月 『“文学少女”と恋する挿話集 3』 (ファミ通文庫)

“文学少女”と恋する挿話集3 (ファミ通文庫)

“文学少女”と恋する挿話集3 (ファミ通文庫)

「他人と同じように感じられないことが、恥ずかしくて……恥ずかしくて……死にたくなるんだって」

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“文学少女”」シリーズ挿話集のその三.今回はシリーズ完結後の数年から約十年(?)という長めのスパンに起こったエピソードが中心.もはや「挿」話ではないよね.
ってのは置いといて.全体的には,元の話を補強/補完するというよりは,後追いで無駄な贅肉を付けているだけにしか見えないのが非常に歯痒いというか.中学教師になった竹田千愛と,彼女のクラスの生徒である仔鹿里佳の間の隙間を描いた「迷える仔鹿と嘘つき人形」「頑張る仔鹿と臆病な旅行者」の二篇がわりあい良かったかな.「他人と同じように感じられないこと」の「恥ずかし」さをもっと突っ込んで書いてくれればなお良かったんだが.これではちぃがよく分からないただ変なだけのひとではありませんか.ぐぬぬ