片理誠 『Type:STEELY 下』 (幻狼ファンタジアノベルス)

天国などというものが本当にあるのかは分からない。だがもしそれがあるのなら、きっと地獄もあるのだろう。だが少年は少しも恐くはなかった。そしてそれを脳を制御されているせいだとも、今は思わなくなっていた。
ここよりひどい地獄があるとは思えなかった。ここではないどこかへもし本当にいけるなら、その先がどんな修羅の世界だろうと構いはしない。今よりひどくなることはないのだから。

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城東ドーム都市がアトロハードによって陥落した.迫りつつあるアトロハードの大群に,善騎たちの住む京葉ドーム都市の運命は風前の灯火だった.
『Type:STEELY』完結.全自動虐殺機械群=アトロハードによって滅びの途にある人類の戦いを,ひとりの有機系生命体兵士=スティーリィの視点から描く.あくまでも主人公目線,というのが味噌なのかな.カタルシスもなく終わりも見えないまま,ただひたすら目の前の敵と戦ってゆくのみ,という感覚で,大局的なことは描かれない.根本的な解決がまったく見えないし,しいて見せようともしていないので閉塞感が半端ない.戦争とはそういうものである,ということなら特に異論はないのだけど,テキストも相変わらず説明調だし,読んで楽しい気分にはならないのよなあ.