鶴城東 『クラスメイトが使い魔になりまして2』 (ガガガ文庫)

永遠にモラトリアムを生きていたかった。

でも……もはや、そんなことは言っていられない。なにより俺は……俺が努力をしなかったがために、世界だどうにかなろうものなら、きっと生きることに耐えられなくなる。

責任。罪。大嫌いな言葉だ。

もう一度、ため息を吐く。

「本腰入れて、特訓するか」

落ちこぼれの召喚士、芦屋想太と、アクシデントから使い魔になってしまった藤原千景の主従は、藤原の本家に釘を刺されたり紆余曲折ありつつ継続していた。【まつろわぬもの】と呼ばれる魔術師たちに目をつけられてしまった想太は、魔術師協会の理事でもある師匠を頼み、特訓を申し込む。

衝突ばかりの凸凹主従が本当の信頼関係を築くまで。ラブ成分がかなり増強された第二巻。「互いへの無関心」を乗り越えて、本当のパートナーとなる。努力、勝利、成長。王道を征く、しっかりとしたストーリーテリングをしていると感じた。序盤と終盤のバトルで、コンビネーションの成長を見せつけるのもオーソドックスだけど良い。話の地盤が固まったのがわかったというか、追いかけるのが楽しみになりました。



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