本村大志 『Tとパンツとイイ話3』 (MF文庫J)

Tとパンツとイイ話3 (MF文庫J)

Tとパンツとイイ話3 (MF文庫J)

「任せて、私口は堅いから」
「ああ、頼む」
「唇は柔らかいけどね」
「……え?」
え、な、なんて?
呆気に取られて反応出来ずにいると、みるみるうちに光里の顔が真っ赤になって、手で顔を覆って俯いてしまった。
「……ごめんなさい……」

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コンの元の持ち主を探して,いっしょに買い物をしたり遊園地に出かけたり,デートだかなんだかキャッキャウフフな日々を送る陽太と光里.そのふたりの前に,コンの生みの親を名乗る男が現れ,コンと光里を強引に連れ去ってしまう.
思念糸が絡み合うシリーズ,完結の第三巻.良い最終巻でした.「無条件の愛」や優しさに満ち満ちたストーリーも良いし,ヒロインの光里が女神すぎてとろける癒される.個人的にこのシリーズはラノベ界の奇コレだと思っているのだけど,今回も混沌に溶けてしまった人間の意識をサルベージするシーンがさらっと描かれていてさすがだと思った.小説としては明らかに詰め込みすぎで,やや窮屈な最終巻になってしまっているのが非常にもったいない.ここに書かれたアイデアだけであと三冊は本が出せたんじゃないかな.やはり意味不明なタイトルが良くなかったのか…….まあ言っても仕方ないし,次回作も準備中らしいので,出るのを楽しみにしています.