大間九郎 『絶名のドラクロア』 （このライトノベルがすごい！文庫）

絶名のドラクロア (このライトノベルがすごい! 文庫)

この子の“名による呪縛”を破るキーワードは、
ロシア・巨根・ハーレム、よ」
世界が反転し、グルグル回り出す。夢じゃないっていってなかったかお前？
後頭部を引っ張られるように、体が沈んでいく。
『ググりなさいよ〜』
『ググりなさいよ〜』
『ググりなさいよ〜』
リフレイン好きだなおい。とりあえず服を着ろ。なんて思いながら後頭部を引っ張られるように、夢から現実に引き戻されていく。

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平凡な日常．スーパーで警備員のバイトをしながらオナホリフティングに励んでいた向井竜童は，冷蔵庫の中で眠る死体のような少女に出会い，いきなりなつかれる．この出会いがめんどくさい人生の始まりであった．
舞台は横浜．死体で吸血鬼の美少女に取り憑かれた少年が勇者になる話．ストーリーだけ抜き出すといかにもなライトノベルなんだけど，描写が下世話で汚いのよな．何かあるとすぐ吐くし漏らすし．神託を告げるのが全裸でガットギターを抱えたババアだし，ヒントやるからあとはググれとか言うし．なんか年増に手厳しいし．ダンボールハウスの住人に助けを求めたらいきなりキレて兵隊さんに出刃包丁で襲いかかったりするし．だがそれが良い．このストーリーをこのテキストで書けるのはこのひとだけではないかと思うのよマジで．