深見真 『ローズガンズデイズ season1（上）』 （星海社FICTIONS）

ローズガンズデイズ season1 (上) (星海社FICTIONS)

「でも共通言語はあるわ。カネと女よ」

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1944年に発生した激甚大災害は日本全土を滅ぼし，戦争を終わらせた．東京は人道支援を掲げて進駐した米中両国駐留軍により競い合うように復興が遂げられる．大量の移民と文化が流入した東京は暗黒の街と化していた．
1947年，軍隊帰りのレオ・獅子神が収容所からようやく帰国を果たしたことから物語が始まる．2012年の架空の現在から，当時の生き証人が架空の戦後を語る，という体．竜騎士07原作，深見真ノベライズという組み合わせは想像したことなかったけど，すげぇはまるな．自分のようなファンにはたまらんものがある．
あらすじだけ抜き出すといかにもな「男たち」の物語なのだけど，実際に読んでみると「女たち」が強い存在感を出した物語となっている（語り手も女性だ）．現実から目を背け，刹那的な暴力と酒に逃げる男たちと，厳しい現実を前に打ちのめされながらもしっかりカネを稼ぐ女たちがこの世界を両輪になって回しているのね．みたいな．決して派手な話ではない（今のところ）けど，なんかすごく惹かれるものがある．良かったです．