ジョン・ミンヒ/酒井君二訳 『ルーンの子供たち 冬の剣 1』 (宙出版)

ルーンの子供たち 冬の剣1 (Next novels)

ルーンの子供たち 冬の剣1 (Next novels)

「心の優しい少年として生きていかれるほど世間は甘くはない。そのことをおまえが一日も早く覚ってほしいと思う」
イェーフネンの声には、巣を失った小鳥をすぐに飛べるようにしなければならない、というような切実さが籠もっているのを、ボリスは感じていた。
「だから、兄さんはそういう人になろうと決意したの?」
ボリスの質問に、イェーフネンは言葉を飲み込み、顔を逸らした。しばらくして、イェーフネンがこたえた。
「そうだ」
「そうなんだ……」

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父と兄を喪った少年ボリスと,冬の剣,ウインタラーと,雪の鎧,スノーガードからなるウインターボトムキットをめぐるファンタジー.『テイルズウィーバー』の原作になった,韓国人作家によるファンタジー小説新装版.よくあるタイプのヤングアダルト向けファンタジー.様々な固有名詞とか,大人ふたりが酒を抜きにして会談する席の飲み物がジンジャエールだったりとか,日本とも英語圏とも違うセンスはわりあい新鮮.しかし,キャラの思考が恐ろしく短絡的だったり,毎日の描写が経時的で単純すぎるするとか,ストーリーについては正直あまり出来のよい方ではないかなあ.