- 作者: シルヴァン・ヌーヴェル,加藤直之,渡邊利道,佐田千織
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2017/05/11
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (4件) を見る
- 作者: シルヴァン・ヌーヴェル,加藤直之,渡邊利道,佐田千織
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2017/05/11
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (5件) を見る
――整理させてくれ。きみは現職の大統領に地球上のすべての国の上空を侵犯することを許可させて、その隅々まで放射性物質を撒くことができるようにさせたいというんだな。すべては巨大な地球外生命体のロボットのパーツが見つかるのを期待してのことだと。それで全部か?
Amazon CAPTCHA
ひとりの少女が偶然見つけた,イリジウム製の巨大な手.それは,6000年前に何者かが地球に残していった人型巨大ロボットのパーツだった.ある人物の指揮のもと,全地球に散らばったパーツの回収プロジェクトが始まる.
地球にバラバラに埋められた6000年前の超兵器を,国際関係のもとで発掘し,組み上げ,操縦できるまで持っていく.「グレンダイザー」がアイデアのもとになったというロボットSF.読んだひとによっていろいろあるだろうけど,個人的には「のび太と鉄人兵団」を思い出した(鏡面世界は偉大なアイデアだと思いを新たにした).大半がインタビュー形式で進むので読みやすいし,同時に叙述ミステリのような不穏な空気までかもし出すことにも成功していると思う.ロボットの全貌が明らかになるにつれ,不穏さや登場人物の情緒不安定さが増していく一方で,カタルシスがかなり少なめなのはちょっと息苦しかった.実は三部作の一作目らしいので,とりあえず二作目の訳が出るのをお待ちしております.