- 作者: 氷桃甘雪
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2018/05/25
- メディア: Kindle版
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「そんな狼などいるはずが――」
「いるんですよ。現に、ここに」
枯れ木を思わせる老人から強い言葉が飛び出した。
「名は――『ジェヴォーダンの獣』」
とある村に猟師が流れ着いた.村の者が言うには,ここの森には「赤ずきん」が住んでいて,他では手に入れられない秘薬を作ってくれるのだという.そして年に一度,赤い月の夜には巨大なオオカミの化け物が現れ,赤ずきんたちを喰い殺してしまうのだと.猟師はとある思いから六人の赤ずきんを救おうとする.
赤い月を背に迫りくるジェヴォーダンの獣,追い詰められる猟師と六人の赤ずきん.この中に裏切り者がいる.第12回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞.おとぎ話を下敷きにした,ダークな「パニックホラー×ナゾトキ」.人狼チックなパニックホラーとしてさらっと読める.体長数メートルの巨大なオオカミ,というスケールがパニックホラー的なリアリティを感じさせるものになっていると思う.手堅くまとまっていたと思います.