大泉貴 『ダンジョン・ザ・ステーション』 (LINE文庫エッジ)

ダンジョン・ザ・ステーション (LINE文庫エッジ)

ダンジョン・ザ・ステーション (LINE文庫エッジ)

「ユウはただ空想しただけ。語っただけ。物語に罪はない」

迷宮主(イニシエーター)を名乗る謎の人物によって,新宿駅は駅員(ガーディアン)と呼ばれるようになる怪物が徘徊する巨大なダンジョンへと変貌した.それから三年.政府によって制定された探索員制度を受けた探索者たちは今日も新宿駅に挑んでいた.

現実と物語と異世界が交錯する場所,新宿駅.行方知れずになった妹を探して,ひとりの少年がダンジョンに降り立った.シンプルでわかりやすい小説だと思うのだけど,根っこにあるものは熱い.ストーリーテリングは淡々としているので,その熱いものが良くも悪くも表に出てこないのと,物語のスケールを感じにくい,というところはあるのかなあ.