裕夢 『千歳くんはラムネ瓶のなか 2』 (ガガガ文庫)

千歳くんはラムネ瓶のなか (2) (ガガガ文庫)

千歳くんはラムネ瓶のなか (2) (ガガガ文庫)

ふと、俺は来た道を振り返る。

長く、ゆるやかに伸びる河川敷の一本道には、ちらほらとスマホの明かりに照らされた藤志高生の輪郭がぼんやりと灯って揺らいでいた。

千歳朔はクラスメイトの七瀬悠月から告白され,彼氏彼女として付き合うことになった.しかし,その告白は真っ当な意味を持つものではなかった.

これは,偽物の恋の物語だ.福井県を舞台にした「“リア充側”青春ラブコメ」の第二巻.社会的には非の打ち所がないリア充たちの,腹の中に隠した悩みと恋の鞘当て.そして,社会のルールからの逸脱を厭わない相手が目の前にいることの強いストレス.息が詰まる,というよりは息苦しい.

気取ったテキストは癖が強く,一巻とは比較にならないくらいひとを選ぶと思う.引きこもりだったオタクの山崎健太の存在が,一巻ではいいバランスになってたんだなあ.たぶん次も買うのだけど,面白い,つまらないとは別の次元で,読むのが非常にしんどかった.



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