――あの子はもう、いない。他でもない自分が殺したのだから。
魔術によって世界統一を目論むグロースライヒ帝国と、天使術によって世を治めようとしていたウァティカヌス教国は、長きに渡って対立を続けていた。聖暦1930年。帝国の魔術師にして暗殺者、メアリは教国の囲う〈神羔の聖女〉の暗殺を命じられる。
魔術を操る死神は、奇蹟をまとう聖女と出会い恋に落ちる。残酷な運命に翻弄されるガール・ミーツ・ガール。モデルとなった国や時代、モチーフはわかりやすいのだけど、その割に説明が多くて話に入るのに時間がかかった。組み立てもオーソドックスで、個人的にはあまりグッとくる部分がなかったかなあ。