革命は終わり革命は続く。
無限に彼らは思考し推論し無限の答えを吐き出していく。終わらない思考を繰り返す。
だから、彼らは、思考金属なのだ。
いくらか未来のこと。二体のロボット、マシューとガルシアは、ヒトのいなくなった戦場をポンコツトラックで駆けながら放送を垂れ流し続けていた。戦線に沿って旅を続けていたふたりは、戦場にいるはずのない「人間」の少女、マリアベルと出会う。
人にならねばならない・人になってはならない・何も見てはならない。三つの原則を課されたうえで役割を付与されたロボットたちは、無限に思考を上書きし、革命を続ける。終わらない革命の物語であり、数百年に及ぶロボットとヒトの物語でもある。ロボットとロボットの対話、ロボットとヒトの対話だったり各々の独白だったりを駆使しつつ、物語の最初から最後までとにかく考えることを止めない。読めば読むだけ気づけることがある。近未来SFであり、哲学的、思弁的小説の面もあり、キャラクター小説としてもとてもキュートだと思う。非常に多面的な小説だと思う。いろんなひとの感想を読んでみたいタイプの小説なので、いろんなひとに読まれるといいな。まごうことなき傑作でした。