ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)
- 作者: 仁木稔
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/04/24
- メディア: 単行本
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「誤信念は自尊心の欠乏と結び付いている。如何なる反証も受け付けないし、妖精によって満たされることもない」
ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち
「自身の生命や生殖よりも信念のほうが大事なんだからな。不適応じゃなくてなんだと言うんだ?」ディーラーは吐き捨てた。
「人間らしさ、だろ」子狐を撫でながらオブザーバーは答えた。
「誰かの苦しみは、他人にはほんのわずかしか伝わらない。特に、加害者には絶対伝わらない。どうしてなのか解る? 姉さんにそう問われて、解らない、としか僕は答えられなかった。彼女は、にっこりと笑って続けた……人間には、他人の苦しみを感じる器官がちゃんとある。だけど自分自身の苦しみを感じる器官に比べると、充分には発達してこなかった。個人差もあって、鈍感な人は平気で他人を苦しめる。
はじまりと終わりの世界樹
2001年の米国では,「妖精」と呼ばれる人工生命体が労働現場で使役されるようになっていた.妖精を憎悪し妖精を排斥する活動を行っていた聖書原理主義者のケイシーは,やがて世界を巡る大きな陰謀に直面する.
改変された911前の米国から始まる「ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち」.亜人が広まるきっかけとなったイラクの地獄「はじまりと終わりの世界樹」.