遠藤浅蜊 『魔法少女育成計画limited(後)』 (このライトノベルがすごい!文庫)

「魔法の国なんでしょう! 夢とファンタジーなんでしょう! 馬鹿じゃないですかあんたら。なんで上手くいかないからって他人巻きこんで全部ぶっ壊すってことになるんですか。そんなの巻きこまれる方が納得いくわけないじゃないですか。魔法少女なんでしょう? 誰よりも優しくて誰よりも可愛くなければいけない魔法少女なんでしょう? ろくでなしばっかじゃないですか。プキンもフレデリカも『魔法の国』も。魔法少女のファンになんてならなければよかったですよ! アニメも漫画も見るんじゃなかった! あんなの嘘ばっかりしかない! 本物はクズだけじゃないですか!」

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暗殺者を封鎖するための結界で封鎖された街で,魔法少女の三つの陣営が殺し殺され.封印が解除されるまでに暗殺者を捕縛できなければ,「魔法の国」により大量破壊兵器が投入される.残り時間は少ない.
前編の感想はこちら.見事にクズしかいない妖精や魔法少女たちが,死亡フラグを立てる暇もないままゴミのようにグモく死んでゆく.魔法少女とは命がけのものである,という前提が当たり前になっているのはいかがなものかと相変わらず思うけど,潔いというか清々しいというべきか.現実の街ひとつを戦いの舞台にしているわりに,社会との関わり方がいまいちわからないとか難もあるけど,シリーズの中ではいちばん最後までストレスなく楽しめたかな.