日日日 『狂乱家族日記 九さつめ』 (ファミ通文庫)

狂乱家族日記 九さつめ (ファミ通文庫)

狂乱家族日記 九さつめ (ファミ通文庫)

「月香、人間はモノじゃないから、遠ざけるのは簡単だけど、近づいてもらうのは困難なのだ。特に心はな、離れてしまうと戻りにくい。人間っていうのは、とにかく複雑怪奇で目障りで、面倒くさい生き物だが……それでも、周りに誰もいない、独りぼっちの人生は、すごく寂しいのだ」

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アニメ放映開始間近ということでか,過去八冊の登場人物たちがわらわらと勢揃い.なんともにぎやかな新章開始.といってもストーリー自体が一区切りしたせいかさほどごちゃついた感じはなく,むしろ近刊よりもまとまっていて読みやすかった気がする.
今回は凶華が年長者らしい余裕と責任感を(珍しく)見せていたのがよかったかな.「母親」という言葉から(私が)単純にイメージするのとはまたちょっと違う像ではあるのだけどそれもまたよし.ギャップが埋まっていく,埋めていく様子が描けるのであれば今後の楽しみも増えるというもの.少しずつ明かされてきた閻禍の由来も良さげな雰囲気で,また続きが楽しみになってきたよ?