月見草平 『姫宮さんの中の人 4』 （MF文庫J）

姫宮さんの中の人〈4〉学園祭ぶれーぶはーと (MF文庫J)

学園ものの華・学園祭の話．華といいつつ，ラノベばっかり読んでると文化祭だの学園祭だののエピソードを定期的に読む羽目になるよね．似たようなエピソードになりやすいだけに作者の腕のバロメータには適当なテーマではあるのかも．寿司屋に入ったらまず玉子焼き，みたいな意味合いでさ．まあ今じゃほとんど意味が無い行為らしいですが．
皮肉はこれくらいで感想．一冊かけて 3 人のヒロインとのバカップル三態をこってりと．ってなにこのスイート空間．3 巻のラストから波乱の予感はしていたものの，こんな捻りも糞も無いベタ甘を連続して見せ付けられることになるとは思わなかった．ひとによってはストレートに「氏ね」と思うかもしらんけど，私は甘いのもベタいのも嫌いじゃないのでこれはこれでわりかし楽しい．しかし「中の人」の問題もなんとなくなし崩し的に解決しそうだし，作品そのものの目指す方向がいまいちよく分からないなあ．読んでて悪い気はしないけど，巻が進むに連れて無闇に斜め上に行ったかと思ったら今度は無難なほうに流れつつあり，むーん？　といったところ．