小林泰三 『天体の回転について』 (早川書房)

天体の回転について (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

天体の回転について (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

面白かった.SF 系のひとたちがひどいひどいと絶賛しているようなのだけど私には具体的にどこがヒドいのかいまいちよく分からんかった.やっぱり私は SF ではなかったようです.なので思うがままに感想を書くよ.いつものようにエモを通すよ.

天体の回転について

「萌えとニュートン力学のワンダー」とな.「俺」の行動原理の変化が愉快.ってか改めて読み返すとラストは確かにヒドい.ような気がする.

灰色の車輪

キャシャーンとアトムとキカイダーと『未来のイヴ』で『鋼鉄都市』? 必死にぐぐった.まだなにかありそうでつね.

あの日

二人のやり取りの様子,身に覚えがありすぎて変なところがむずむずする…….と思ってたらそんなオチかよ.

性交体験者

女性が権力を握った世界.なんとなく「懲戒の部屋」とか「定年食」あたりを思い出した.後者はちと違うか.

銀の舟

ファーストコンタクトものそのいち.キレイにオチがついた.

三〇〇万

ファーストコンタクトものそのに.己の道を貫き通す,かっこいいぜアルカリオス.バカっぽい話だけど文明の衝突はこんなもんだよねー.

盗まれた昨日

記憶のありかとアイデンティティと魂の関係について.結論を先送りにしたままの終わりが後味悪ぃー.だがそれがいい

時空争奪

いあいあ.争奪のアイデアが面白い.長編で読んでみたい話だと思った.