ラリイ・ニーヴン/中上守訳 『プロテクター』 (ハヤカワ文庫SF)

プロテクター (ハヤカワ文庫 SF 321 ノウンスペース・シリーズ)

プロテクター (ハヤカワ文庫 SF 321 ノウンスペース・シリーズ)

放射能鉱石採掘を生業とするベルター(小惑星帯人)のジャック・ブレナンは,採掘の最中に異形の宇宙船と異星人に接触する.
ニーヴンの未来史<ノウンスペース>シリーズの一編.特に予備知識を持たないまま読んだ初ニーヴン.ベルターのブレナンとパク人のフスツポクのファーストコンタクトと,その 200 年後に起こった戦い,そして幼生・ブリーダー・プロテクターという三つの段階に変態するパク人と地球人類の関係について.大きく二章に分けて描いている.ここから「未来史」がはじまっていくんだと思うとわくわくする.ってもベルターからプロテクターへと期せずして変化したブレナンは"悲劇のヒーロー"的な立ち位置.「ヴァンダーヴェッケン」は閉鎖された宇宙船内でのブレナン×ロイが見どころ.という感じに既知領域に落とし込みながら読んでいった私は不純なのかも分からんが.あと訳がところどころ(私でも分かる程度に)おかしかったのは調べてみたら気のせいじゃなかったようでほっとした.面白かったです.