- 作者: 山川進,よし☆ヲ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/04/19
- メディア: 文庫
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よく言えばストイック,悪く言えば固くて遊びのない文体はほぼ変わらず.まったく意味のない伏線があるかと思えば唐突に重要な事実が明かされる,歌劇学園と普通の学園生活のボーダーが悪い意味で曖昧,主人公の影が驚くほど薄い,など全体的にちぐはぐ.子どものころの雅也と初恋の少女との重なる思い出のもろもろはベタなりにいいんだけど,ラストへ向けて悪い意味で期待を裏切らない話運びをしてくれるので,読む進めるうちにだんだんとネガでだるい方向に気持ちが引っ張られる.安直なりに綺麗にまとめようとしたラストは,これまたベタなりに嫌いじゃないんだけど,このストーリーのラストがこんな終わり方でいいのんかなあ.もうちっとなんかこうさあ.釈然としない読後感が残った.壁に投げたくなる気持ちも分かる気がするよ.