祭紀りゅーじ 『皇帝ペンギンが翔んだ空』 (電撃文庫)

皇帝ペンギンが翔んだ空 (電撃文庫)

皇帝ペンギンが翔んだ空 (電撃文庫)

純白の古城「白鳥城」で管理人として働く孤児院育ちのリーゼロッテと妹分のヨハンナ,そして城に住む幽霊たちと奇妙で優しい住人たちの話.
ヨーロッパのどこかの静かな町を舞台にした静かな話.町や城の中の風景の描き方は良かった.元不良娘が現役不良の妹にやきもきさせられるシチュエーションもわりと好み.ではあるんだけど,チンピラのエルンストの存在が話の中で浮いているのがすごく気になった.個人的な願望含みだけど,半端な狂気や血が流れる話にする必要はなかったんじゃ? 雰囲気は出せていると思うけど,「空気」が統一されていない印象が強くてどうもすっきりしない.ほんと雰囲気や舞台は良かっただけにね.